宮部みゆき『おそろし 三島屋変調百物語事始』 ~全五巻ある、まずは、第一巻から。《魑魅魍魎ファンタジー》的な、著者ならでの密度の濃い、ストリー展開です。

 我が家の、街中でありながら、朝夕の小鳥のさえずりしか聞こえない書斎で、読書に集中しました。

 先日、角川書店のPR小雑誌『本の旅人』5月号で、新刊、
宮部みゆき 『あやかし草紙 三島屋変調百物伍之続』(角川書店)
に関する、〈宮部みゆき×若松栄輔〉両氏による、刊行記念対談と斉藤環(精神科医・批評家)の書評が載っていました。

 著者シリーズ5作目で、〈ライフワーク〉作品とも書かれていましたが、残念ながら、私は、未だ未読です。
テレビドラマ化された(2014年)のも知りませんでした。
(小説では、着物の柄にも意味を持たせ、また、商いの細かい説明もありますが、テレビでは、どうしたのかな、所与の描きかたなんでしょうか。)
 そこで、この際、2008年刊行の、第一作から読むことにしました。

宮部みゆき 『おそろし 三島屋変調百物語事始』(角川書店)

 重厚な、430頁。です。面白く、3日弱で読了しました。

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 そもそも、《百物語》とは、百人が集まって、一人ずつ不思議な話をして、一つの話を終えたら、百本の蝋燭(ろうそく)の一つを消して、全部語り終えて、蝋燭も消えたら、お化けが出る、と言うものです。
 宮部百物語を読み終えると、果たして、何が出てくるのでしょうか。

 さて、やはり第一巻から読んで良かったと思います。濃厚な、物語の登場人物の背景が分かります。
 特に、第一巻は、主人公・おちかの複雑な事件に、多くの頁がさかれているので、重要です。

 物語は、江戸・筋違橋(すじかいばし)近くにある袋物屋「三島屋」の娘・おちか(17歳)が、養父の伝手(つて)で、口入屋、読売(瓦版屋)、岡っ引き達に広めて貰って、不思議な話を持っている人を、5日に一人の割合いで招いて、その話を聞いてあげる趣向です。 それぞれ、濃厚で、見る視点によって解釈も変わってくる複雑な人生描写です。

 ま、「変わり百物語」を集めるというものです。

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