行商人やキャラバンに憧れ、モロッコでロバと一緒に放浪の旅を始めた

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移動式住居の生活に慣れるのに精一杯で行商要素全くないんだけど、次の村が見えてきた時の達成感が半端ないwww
期間や距離は未定だけど、とりあえず今はスタート地点のトドラ渓谷から600kmくらい離れた町タンジェを目指して100kmほど移動したところだ。

今回は主に出発までの経緯について書いていこうと思う。

当初の予想をはるかに上回る距離歩けてびっくりしてるw
今んとこ一日最大35km

今回、おれがロバと一緒に旅しようと思ったきっかけは、以前エジプトでラクダの遊牧をしていた時に村でたくさんのロバが荷物を運んでいるのを間近で見たからだ。

大量の荷物、あるいは2、3人の人を乗せた荷車を引いてのんびりと歩くロバの姿は当時のおれにはとてもかっこよく見えた。
実際、ロバは牽引力に関しては馬にも引けを取らず、粗食にも耐え、一日に必要とする水分の量も少ないことから輓獣(何かを牽引するために用いられる動物のこと)としては古くから人々に重宝されてきた。

なので、いつかどこかの国で、寝泊まり可能な大きさの荷車をロバに引いてもらいながら旅をして、
余裕があれば行商のようなこともしてみたいと考えていた。(これはあくまでおまけ要素なので大きな利益をあげる必要はなくて、最高到達点はロバと自分の日々の食べ物を賄える程度だ。(一日に200円とか300円とかその程度の利益が出れば十分))

そして、どの国ならこの冒険が実現可能か検討したときに、モロッコならできるんじゃないかと考えた。
都会すぎる国だとロバの入手が難しかったり、法律的な問題や人の多さによる問題があったりするし、田舎すぎる国だと治安的な問題が生じてしまうんだけど、モロッコはその中間に位置していて、この冒険が実行しやすい国に思えた。
というわけでまずはおおまかな情報収集をするために、景色がきれいだというだけの理由でフィーリングで選んだ村、トドラ渓谷のティズギ村でしばらく暮らすことにした。
もしここでロバを手に入れることが難しかった場合はほかの村に移動して再度情報収集をする予定だ。

滞在してわかったことだが、ティズギ村には何頭かロバがいた。
そして、ティズギ村の近くの町、ティネリールでは週に1回アニマルマーケットが開かれることもあり、ロバがたくさんいたため、この村で情報収集をしてロバを購入することに決定した。

結果、情報収集のおかげでロバの情報が続々と集まってきた。
今回購入を検討したロバは全部で5頭だ。
性別は、気性が荒いというリスクはあるが、相棒としてオスと旅したかったので候補に挙げているのは全てオスのロバだ。
1DH=だいたい10円

1頭目
 若く、かなり大きい。普段はおとなしいがとても臆病で、棒を見せるとそれだけで暴れる。右耳が欠けていてよく見ると全身に傷があり、鼻にも目立つ傷がある。舌を鳴らす音に対しても不安そうにする。虐待に近いことをされていた可能性が高い。
ティズギ村のロバ。
値段交渉の開始価格1900DH

2頭目
 体は大きめ。つながれている時に必死に逃げ出そうと暴れていたため、かなり気性は荒いようだ。
ティネリールのロバ。
値段交渉の開始価格1700DH

3頭目
 小柄。かなりおとなしく、知らない人間が乗った場合でもおとなしく従順だ。足から少し血が出ていた。馬力も十分なようであったのが、長期の旅でどのようになるか、少し不安が残る。
ティネリールのロバ。
値段交渉の開始価格1000DH

4頭目
 3頭目よりは少し大きいが小柄。おとなしく、いうことをよく聞き、人が乗っても嫌がらない。
馬力は十分。
モロッコではロバに名前を付ける習慣はないが、このロバには「ブライト」という名前がついており、飼い主からかなり愛されているようであった。
ティズギ村のロバ。
値段交渉の開始価格 1000DH

5頭目
1頭目ほどではないがかなり大きい体を持つ。おとなしくて馬力もあるが、歩き方がほんの少し不自然であったため、長距離を歩けない可能性がある。
ティズギ村のロバ。
値段交渉の開始価格3500DH
ちなみにあまりにもふざけた開始価格であったため、「どのロバを買うかを今夜決めるから最低でも1700DH辺りまで下げてくれないと候補に入らない」と強く主張した結果2200DHまで値段が落ちた。

※おれが滞在している宿のあるティズギ村のロバを買った場合、そのまま出発直前まで元の飼い主に預かってもらえば出発までの間に調教がしやすいというメリットがある。
ティネリールのロバを買うと、ティズギ村にロバを置く場所がないため、ティネリールまで通わなければならず、出発までにロバとのコミュニケーションが十分に取れない可能性がある。

2頭目以外のロバは動かしてみたが、少なくとも短い距離であれば皆おれに従ってくれた。
動物を扱うのにはある種才能や経験が必要で、ふつう外国人はみなロバをほとんど動かせないと、何人もの現地人が驚いていた。
たぶんラクダの遊牧の経験が活かせているんだと思う。

お前らならどのロバにする?

この条件だと、今回の冒険を確実に達成するには、4頭目が最適だったんだと思う。

でも、ブライトにはもうすでに素敵な飼い主がいたから、わざわざ引き離しておれの冒険に付き合わせるのはかわいそうに感じた。
それに、将来複数のラクダを操ってサハラ砂漠を横断したり、犬ぞりで南極を横断したりしたいと考えているおれとしては、
おとなしく従順なロバと旅するよりも扱いにくいロバと旅して動物を扱うことに関して少しでも経験値を得るほうが今後の冒険に繋がるだろうと考えた。

結果、おれは1頭目のロバを買うことに決めた。
このロバは候補のロバの中で最も体が大きく、若かったため、もしうまく扱えれば一日にかなり長い距離を歩くことができるだろうと考えたことも理由の一つだ。

ちなみに値段交渉の結果、200DH値下げされたから、このロバの最終価格は1700DHだった。
値段的には相場よりも少し高いぐらいだったけど、今回はロバを2頭買うことも視野に入れていて、ロバ購入に対する予算は4000DHだったから予算的にはむしろ余裕ができたくらいだった。

次の日から、散歩による調教が始まる。

エジプトで1ヶ月弱ラクダの遊牧を手伝ってたことがあるんだけど、その時の村では英語はほぼ通じなかったからそこで覚えた
正則アラビア語の文法はエジプト行く前から勉強してたからそれなりに話せる
ただ、同じアラビア語といってもモロッコでは全然違う言語が使われているから、モロッコ語はアラビア語と共通の、本当に基本的なことしか話せない。

でもモロッコでは田舎でもフランス語が話せれば全く問題ないから大丈夫。
唯一山の中で暮らしてる遊牧民の人たちだけは、ベルベル語という言語しか話せない上に、山ごとに文法が違うとかそういうレベルだから、
旅の途中で山を越えてる時なんかに出会ってお茶をごちそうしてもらったりするけど、全く意思疎通できない

朝10時ごろ、散歩をさせるためにロバに会いに行く。

とりあえず警告を少し歩かせてみて様子を見るつもりだ。

元飼い主は購入後に関しては協力的ではなかったし、モロッコの一般的な考え方として、ロバは「道具」で、痛い目に合わせようが何をしようが言うことを聞かせられればそれでいいという考え方があるため、調教はほとんど一人でやることにした。

なので、使える経験としてエジプトでラクダを遊牧していた時のことを思い出してみる。
おれが遊牧を手伝っていたラクダに関していえば直接叩いたりあてたりしなくても、集中力が切れていたり興奮しているラクダを誘導する為には棒や石などでラクダの気を引くことは重要だった。
ただ、このロバは棒を怖がるし逆効果かもしれないな、と考えていると、元飼い主やわらかいゴム製の棒を差し出してきた。

うん、これなら痛くないから怖くないだろう。

よし、ラクダの時みたいに斜め後ろあたりから優しく追い立てる感じで…

と、その瞬間、ロバがいきなり体をひねり、それと同時におれの膝のあたりに立て続けに二度、痛みが走る。

蹴られた。
ロバは馬よりも体は小さいため、そこまで深刻なダメージではなかったが、とにかくこいつに対して棒を使うべきではないらしい。
そして、おれを蹴った後も怒りが収まらないようで、大きな声で鳴き、おれを威嚇する。
鼻息荒く、低い声で唸りながら、じりじりとおれににじり寄ってくる。

うん、怖いw

でも、ここで引いたら動物に認めてもらえなくなることは知っていたので、おれは一歩も引かず、毅然とした態度で、そっちじゃない、こっちだ、と手綱を引き、ひとまず近くの柱に結び付ける。

しばらくすると気がすんだのか、おとなしくなり、柱の縄をほどいても暴れず、のそのそとおれについてくるようになった。

朝10時ごろ、散歩をさせるためにロバに会いに行く。

とりあえず警告を少し歩かせてみて様子を見るつもりだ。

元飼い主は購入後に関しては協力的ではなかったし、モロッコの一般的な考え方として、ロバは「道具」で、痛い目に合わせようが何をしようが言うことを聞かせられればそれでいいという考え方があるため、調教はほとんど一人でやることにした。

なので、使える経験としてエジプトでラクダを遊牧していた時のことを思い出してみる。
おれが遊牧を手伝っていたラクダに関していえば直接叩いたりあてたりしなくても、集中力が切れていたり興奮しているラクダを誘導する為には棒や石などでラクダの気を引くことは重要だった。
ただ、このロバは棒を怖がるし逆効果かもしれないな、と考えていると、元飼い主やわらかいゴム製の棒を差し出してきた。

うん、これなら痛くないから怖くないだろう。

よし、ラクダの時みたいに斜め後ろあたりから優しく追い立てる感じで…

と、その瞬間、ロバがいきなり体をひねり、それと同時におれの膝のあたりに立て続けに二度、痛みが走る。

蹴られた。
ロバは馬よりも体は小さいため、そこまで深刻なダメージではなかったが、とにかくこいつに対して棒を使うべきではないらしい。
そして、おれを蹴った後も怒りが収まらないようで、大きな声で鳴き、おれを威嚇する。
鼻息荒く、低い声で唸りながら、じりじりとおれににじり寄ってくる。

うん、怖いw

でも、ここで引いたら動物に認めてもらえなくなることは知っていたので、おれは一歩も引かず、毅然とした態度で、そっちじゃない、こっちだ、と手綱を引き、ひとまず近くの柱に結び付ける。

しばらくすると気がすんだのか、おとなしくなり、柱の縄をほどいても暴れず、のそのそとおれについてくるようになった。

ったんだけど、その音を聞くとモカはその音を警戒して不安そうにした。
たぶん、今までのいやな思い出を思い出すんじゃないかと思ったから、今回そのやり方は使わないことにした。

怖い思い出や不安なイメージを少しでも払拭するべく、モカを動かす際の掛け声は、ラクダを遊牧していたころ、ラクダ飼いのサリーマンという男が使っていたもう一つの「進め」の言い方、「ホップホップホップホップ」を使うことにした。

その日はモカと一緒に1kmほど歩くことができた。

そしてその夜、出発までの短い期間でモカと少しでも仲良くなる為に何ができるかを一晩考えた結果、ジャガイモの皮やスイカの皮などの食べ物をモカにやり始めることにした。
スイカの皮やジャガイモは特に好物のようだ。パンの切れ端もやろうとしたが、あまり好みではなかったらしい。
ニンジンが好きだと現地人はいうが、ラマダン(イスラム教徒の断食期間。この時期は普段手に入るものでも入手が難しいことが多い。)明けであったため食料品の供給はほとんど停止しており、手に入らなかった。

さて、次の日、モカを散歩に連れ出す際に元飼い主と揉め事になった。
元飼い主が酔った勢いで、「今すぐ金をよこせ。そうしないとロバを取り上げる。」といきなり言い出したのだ。
金銭の支払い時期は今日か明日、ATMのある町まで行ってからでいいという話になっていたし、出発までの期間の散歩はモカを購入した際の約束に含まれていた。

飼い主の妹曰く、「今渡すと飲みに出かけて使うだけだから渡さないで。あのロバは家族みんなで出資して購入したロバだからそんなことにお金を使わせたくない」とのことだ。

結局、妹さんがうまくなだめてくれているすきに散歩に出発したんだけど、モカも空気読んだらしく、おれのペースに合わせて走り出した。

この時初めて気づいたが、走るとモカは興奮し、今にも蹴りだしそうな雰囲気になるようだ。
そして、その日の散歩で、一定の条件を満たすとモカは興奮するということが分かった。
その条件は大まかに以下の通りだ。

・走っている時
・疲れがたまってきた時
・大きな音を聞いた時
・他のロバや馬に会った時。特にメス馬がいたときは少しでもメス馬に近づこうと必死になり、しばらくの間全く制御できなくなるw

興奮すると制御するのに神経を使うせいでかなりおれが疲れる。
まず、おれよりも少し速いペースで歩き出し、おれを追い抜きそうになる。
追い抜かされると制御できなくなるので、いったん止まらせるが、止まらせるとおれを威嚇し、鼻息を荒くしながらじりじりとおれに近寄ってくる。
あまりに距離が近すぎると危険なので、ある程度まで近づいてきた時点でまた「進め」の命令を出し、歩かせる。
そしてまた追い抜かされそうになってきたらまた「止まれ」の命令を出す…といった感じで何度かこれを繰り返せば興奮はおさまるようだが、かなり集中してタイミングを見計らって指示を出さなければならない。

この日は昨日よりも長く、2kmほど歩いたが、その間モカは7回ほど興奮したため、かなり疲れた。

次の日

昨日から餌をやっていたおかげで、少しモカとの距離が縮まったようで、一人で頭絡(頭につけてる赤いベルト)を付けたり外したりできるようになった。(今までは頭に手を近づけただけで強く拒絶されていた。)

散歩も、2kmほど歩いたけど1回しか興奮せず、昨日の反抗的な態度は何だったのかというくらいおとなしかった。

この調子で仲良くなっていけば、最大の難関であると予想してる荷車の接続も難なく行えるかもしれない。

ただ、モカは噛むのが好きなようで、隙あらばおれの首を噛もうとしてたから、とりあえず最初はミニバケツを口にかぶせることにした。

さて、モカに関することがある程度落ち着いたから、次は荷車について考えないといけない。

おれが寝ることができるくらいの大きさで、それとは別に荷物も収納できて、モカが引きやすいようにできるだけ軽い荷車を手に入れないといけなかった。

ただ、情報収集の結果、現代のモロッコにそんな荷車はもうほとんど残っていないことが分かった。
モロッコでは6、7年前まではロバや馬に荷車を引かせるのが一般的だったらしいけど、今はトラックやバイクに完全に取って代わったらしく、ロバの利用方法としては、今では背中に直接荷物を載せて運ばせる扱い方しかされていないらしかった。

というわけで中古の荷車の購入に関しては絶望的だった。
でも、この程度で冒険に対して溢れ出すおれの気概がなくなったりはしない。

中古のものがないならどうすればいいか。

そう、作ればいい!!!

というわけでこの日から、おれと宿の主人(日曜大工が趣味)、そして町の鉄鍛冶屋や木工職人たちによる荷車づくりが始まった。

外務省の海外安全ホームページの情報
モロッコではここ5年、外国人を対象にしたテロや誘拐事件は起こってない。
ちなみにモロッコの治安に関して一番たくさん外国人向けの情報を持ってるのは在モロッコフランス大使館なんだけど、そこの安全情報でも国境以外は注意してれば大丈夫って書いてある。
超安全な国なんだぜ!

まず、どんな荷車を作りたいかを考える。

本当は4輪の馬車のようなものにしたかったんだけど、ロバに引かせる場合バランスの問題と、モロッコの道路交通法に抵触することによる税金の支払い義務の懸念があった。
ほかにも、モロッコでこれまで使われていた荷車は全て2輪だったため、4輪よりも2輪のほうがいくらか目立ちにくく、より安全に旅ができるだろうと考えたということもある。

タイヤは、自転車のタイヤだと強度に問題があるし、車のタイヤだと大きすぎるのと値段も高くなってしまうため、バイクのタイヤを使用することにした。

荷車の長さは、あまり長いとモカが引きにくいということを考えて160cm、それに合わせて幅は80cmにした。
この長さだと寝るときに足がはみ出してしまうが、海外では基本的に野宿のおれにとっては大した問題じゃなかった。

そしてこの大きさだと、荷物の収納が難しくなるため、荷車を2層構造にして、下は荷物入れ、上は寝床という感じにした。

あとは、少しでも軽く作るため、金属を使うのは土台や屋根などのフレーム部分だけにして、あとは全て木で作ることにした。

さて、どんな荷車にするかが決まったので、早速町で鉄鍛冶屋をやっているアフマッドさんに事情を説明し、金属フレーム部分を作ってもらう。

全然だめじゃねぇか!!!www

軽トラ借りて鉄鍛冶屋のアフマッドのところに持っていく。
これでアフマッドの世話になるのは3回目だ。

アフマッドは職人なのでフランス語がほとんどしゃべれないが、さすがにこの頃にはかなり仲良くなってたw

おれ「アフマッド!!全然だめだったwww」
アフマッド「はは、なかなかうまくいかねぇな!
でもこの状態(木材の部分も乗った完全な状態)ならしっかり補強してやれると思うぜ?」

3度目の正直、というかもっかい全部町まで運ぶのは面倒なので、丸一日かけてやりすぎなぐらいしっかり補強してもらう

最終的に荷車作成にかかった費用は大まかに以下の通りだ。

・材料費
・・・木材400DH、金属300DH、タイヤ250DH、布100DH、その他釘、金具、ペンキなど200DH
・職人の加工費
・・・木工100DH、金属200DH(初回)+100DH(2回目)+200DH(3回目)
・ペンキ塗ってくれた子どもへのチップ
 ・・・1DH

計1851DH(およそ19800円)

これでロバの調教もそれなりに終わり、荷車も出来上がったから出発できるんだけど、最初にどの方向に向かうべきなのかについては実はまだ決まってなかった。
出発地点のティズギ村から行くことができるルートは以下の3つだった。

1、都会(ワルザザート)ルート

・メリット
 なんでも手に入る
 人がいるから困ったとき助けてもらいやすい

・デメリット
 モロッコの街中は日本の地方都市並みに発展してるから、自動車や人々とモカや荷車がぶつかった場合めんどうなことになる可能性がかなりある。
 モカを一時的にどこかにつないでおくことが難しい。

2、砂漠(メルズーガ)ルート

・メリット
 砂漠好きで、いつかサハラ砂漠を横断したいおれとしてはかなり行きたい場所
 ※水源が十分にあることは確認済み
 ※最初にこのルートを選ばなかった場合、その後モカを連れて砂漠に行くのはかなり難しくなる

・デメリット
 暑さによってモカが弱ってしまう可能性がある。もちろんおれも。
 砂漠に行った後は引き返すか都会ルートを選択するかの2択。

3、山(イミルシル)ルート

・メリット
 イミルシルは湖と豊かな緑があり、モカにとってはこの上なく最高の環境。
 道中車がほとんど通らないので、面倒に巻き込まれるリスクが少ない。

・デメリット
 モロッコ一標高が高いと言われている村(アグダル)を経由しないといけないため、かなり登り坂が多く、モカが荷車を引いて登れない可能性がある。
 人がほとんどおらず、携帯の電波も最も不安定なルートのため、緊急時に助けを求められない。

まずは都会ルートについて
人がたくさんいて、情報も食べ物も手に入りやすい状況は魅力的だけど、旅に出てまだ慣れてないうちに都会に出てしまうと、おれがモカを制御しきれず場合によっては損害賠償ものの大きな問題が起こるかもしれないと考えた。
だから、都会は行くとしてもできる限り後にすべきだと思ったから今回都会ルートはやめておくことにした。

残ったのは砂漠ルートと山ルートだ。
おれとしては両方とも捨てがたかったし、山ルートは険しく、砂漠ルートは暑いから両方ともかなりリスクのあるルートだった。
でも、最後に決め手となったのはどちらのルートがモカにとって幸せか、だった。

今回の冒険にしたって、おれはおれ自身のやりたいことをやってるだけだけど、モカはそれに付き合わされている形になってるわけだから、できる限りモカに配慮した冒険にすべきだと思った。

…というわけで、進むべきルートは山(イミルシル)ルートに決定!
それに伴って、終着点はモロッコ北端の港町、タンジェになった。
ちなみにもし山を登ることが不可能だった場合は引き返して砂漠ルートに切り替える予定だ。

これで出発準備がすべて整ったので、すぐに出発することにする。
本当はもっとしっかりテストと準備をしてから出発したかったんだけど、荷車やモカの場所の問題があったため、準備ができ次第出発することになった。
あまり詳しくは書きたくないけど、モロッコはご近所づきあいがかなりシビアな感じらしい。
飼っている犬や家畜が隣人によって毒殺された話はいくつか聞いた。

そんなわけで、準備がすべて整った次の日、朝4時半に起きてモカに大量の餌をやりに行く。
ちなみにモロッコは昼は暑すぎて、夜はもちろん暗すぎて移動できないから、早朝と夕方しか移動できない。

だから、明るくなったらすぐに出発することにして、餌を勢いよく食べるモカを見守る。

おれ「よっしゃ、頑張ろうぜ、モカ!!!」
モカ「…」モシャモシャ

ちなみに一日にモカが何km歩けるかわからなかった(散歩では最高3km/2時間)から、出発前のこのときは一日最高15km、平均でだいたい8km移動できればいいと考えていた。

次第に日が昇り、明るくなってくる。
たくさん食べたので1時間以上かかったが、朝6時頃にはモカの食事も終わっていた。

さぁ、気合い入れて出発だ!
まずはトドラ渓谷を超えて、山岳地帯へ!!!

かくしておれは、気性が荒く反抗的なモカと一緒に、モロッコ放浪の冒険を始めることになった。

2010年
行方不明になった友達を探しにフィリピンに行く。これまでの海外経験は高校の研修旅行のみ。これが海外や冒険に興味を持つ最初のきっかけになる。

2012〜2013年
大学を休学し、国内外問わず転々として経験を積む。
海外ではスラム街に入り浸り、ヒッチハイクや野宿などを繰り返して友達を作り、危機管理能力を高める。また、護身用にフィリピンの杖術(素手でも使え、相手の武器を奪い取ることに秀でた武術)もかじる。
国内では歌舞伎町や難波、祇園で客引き系の仕事をして交渉スキルを磨く。プログラミングのスキルを身に着けたのもこの頃。

2014年
大学に復学。ジムに通い、護身用にキックボクシングを始める。毎週5日〜6日、3時間ほどひたすらサンドバッグを叩く。グローブとバンテージをつけていたが、手に一生ものの傷ができた。
空いた時間を利用して国内外の様々な場所へ行き、離島でサバイバルをしたり、地下水路をビニールボートで下ったりする。

2015年
大学を卒業。ラクダと一緒に旅をしようとするが、イスラム国の影響で砂漠が厳戒態勢であったため、ラクダの遊牧に切り替える。(前スレ参照)
海外ボランティアの一員として、2か月ほど訓練を受ける。内容は発展途上国で生き抜くために必要な教養やビジネス英語、サバイバル訓練や感染症への予防接種などだった。
本来はコンピュータ教師としてオセアニアの島国に派遣される予定であったが、もろもろの事情により派遣されることはなかった。

2016年
カメルーンの熱帯雨林の中でピグミー族と共に自給自足のサバイバル生活をする。基本的な食べ物はキャッサバで、たまに森でとれたネズミの肉や蜂蜜などが食べられた。飲み物は泥水しかなかった。(前スレ参照)

荷車を引いたロバと一緒に放浪の旅がしたいと考え、モロッコで実行に移す。
現在は第一の目的地であるイミルシルに滞在中で、天候などの条件が良ければ明日出発する予定。

出発後の話も少しずつ書いていこうと思う

まずはトドラ渓谷!
ここを越えてから、モロッコで最も標高が高い位置にある村だと言われているアグダルを経て最初の目的地、イミルシル(標高が高いので涼しくて緑豊かなためモカにとって最高の土地)に向かう

さて、実際、歩き始めるとかなりスムーズだった
緩やかな坂道もいくつかあったんだけど、モカはものともせず、むしろ登り坂になると小走りになった

想像以上のタフさだ

結果、なんと午前中に22km(事前の予想では一日最高15kmの予定だった)も歩いて隣のの村まで行くことができた
まだまだいけそうだったけど、初日だったのと無料のキャンプスペースのあるホテルがあったのでそこで泊まることにした

途中、警察に質問されたけど、想定していたような賄賂の要求やロバの差し押さえなどは一切なく、フレンドリーな雰囲気で旅の予定などを質問されただけだった

さて、その夕方、おれはモカに十分な餌をやるために散歩をさせていた
餌もやり終わり帰ろうと歩いていると、モカがいきなり座り込み、軽く腰を動かし出した

砂浴び以外でモカが座る姿は始めてみたので、何が起こるか全く分からなかった
その後、すぐにモカは立ち上がったが、地面が濡れていて、モカの下腹部辺りから斜め下にそそりたつモノから滴る半透明の液体が、モカが今何をしていたか雄弁に物語っていた…

おれ「いや、お前何やってんだよ…」

多分、今日はモカにとって新しいことだらけだったから興奮して感極まったんだろうと思う

その日はそのままホテル前のキャンプスペースで野宿した

次の日

朝起きてモカに餌をやる

寒すぎる
昼は暑すぎるのに朝は寒すぎる

この日、午前中に通った道は全て登り坂だった
モカが時々しんどそうにするため、こまめに休憩と水分補給をさせながら、時には少し荷車を引くのを手伝ったりもした
そのかいもあって、昼までにかなり高いところまで登ったので、真昼でもそこまで暑さを感じなかった

そういえば昨日のこともあってか、モカとの関係がかなり前進したように感じる
基本的に縄を持たなくても道草を食わずに進み、また、機嫌が悪くない限りは止まれ、進めなどの命令を音で判断して行動してくれた

そして、日が沈む頃、ついにモロッコで最も標高が高い位置にある村であるアグダルにたどり着いた

この村はRPG風に言うとペガサスとかで移動する天空都市的なポジションだとおれは勝手に思っていたんだけど、そのイメージはあながち間違っていなかった
これまでの村とは比較にならないほどたくさんの馬とロバがいて、村の人々はかなり多くがロバや馬に乗って移動していた
家族単位で暮らしている遊牧民の人々以外でこれほど密接に動物と共存している人々を見たのは初めてだった

馬やロバの暮らしやすい気候と、人々にとって移動の難しい山岳地域の地形の条件が合わさったことによって、この村はこんな状態になっているんだろうと思った

そして村についたとたん、たくさんの人がよく来たと言ったり、質問攻めをしたりした
おれが来ることは村全体に知れ渡っていたらしい
ここは観光地化もされていないし、外国人が来ることはほとんどないから、「ロバを連れた外国人が村に来る」なんてのはかなり珍しいことだったんだと思う
モカの餌を分けてくれる人も何人かいたため、瞬く間にモカの前にはご馳走が並んだ
おれもモカに岩塩とメロンを半玉あげた

アグダルはだいたい2400mくらいだ
「最も高いところにある村」じゃなくて最高地点だったらもっと高いんだろうけど、モロッコ自体そんなに起伏の激しい地形の国じゃないからそんなに変わらないかも

つづき
さて、あと少しでとうとう第一の目的地、イミルシルに到着する

ちなみに今のところ目的地は全部で5つあって、湖がある山岳地域のイミルシル、モロッコ一大きい樹があるアズロウの森、世界最大の迷宮都市フェズ、町全体が青と白の町シャウエン、そして交易で栄えた港町タンジェだ

この日はモカの集中力が切れているようだった

そしてこれまで書いてこなかったけど、出発して以来毎日雨が降っている

基本的に日本の雨みたいに何時間も降り続く訳ではないけど、モロッコは今雨季なので30分から1時間ほど毎日雨が降る
この日の雨は特に強くて長く、2時間ほど降り続いた
35kmの道のりを、雨に濡れながら、また、ずぶ濡れになっているところでトラック運転手のおじさんに壊れた上着を恵んでもらったりもしながら突き進む
途中、羊やロバ達がたくさんいる放牧地帯があったのでモカを行かせてみたが、他の雄ロバと蹴り合いの喧嘩になったのですぐに引き返させた

そして辺りが薄暗くなる頃、ようやくおれとモカはイミルシルにたどり着いた!
イミルシルはそれなりに発展している村で小さいながら鉄鍛冶屋などもあるので、装備の補充と荷車等の改善、そしておれとモカの休養を兼ねて1週間ほど滞在する予定だ

さて、ここまでの4日間で、今回の冒険をさらに充実したものにするためにおれは1つ思っていたことがあった

「卵食いてぇ…」

おれは超がつくほどの卵好きで、卵を使った料理はだいたい好物だ
卵かけご飯を醤油をかけずに味わう方が好きという程度には卵が好きだ

でも移動しながらだと卵の入手自体が困難だし、どこかで大量に買いだめしたとしても運んでいる間に割れるリスクと鮮度の問題がある

より充実した生活を送るためには定期的に鮮度のいい卵を得ることが必要だった

というわけでこれからおれがやった新鮮な卵の入手方法を書いていこうと思う

?まずはその辺の木材と金網を用意します
(ごめん、この辺の写真全然撮ってなかったw)

、いくら仲良くても一緒に旅するとちょっとした価値観の違いでお互い我慢の連続になるかもしれないし、何よりおれに同行してくれた人が危険な目にあったときに責任とれないからおれは通訳含めて誰も同行させないことにしてる
よっぽど危険の少ない旅か、もしくはおれが誰かを守れるくらい技術と経験を得て強くなって余裕が出来てからなら友達と旅するのもきっと楽しいだろうなぁ

つづき
?木材と金網を加工して余った布なんかも使って箱を作り、荷車に設置します

あとは市場の肉コーナーもしくは近隣の村人から必要なものを入手して作成した箱に入れれば終了だ

…うん、移動しながらにわとり飼おうと思ってるwww

そしてにわとりのエサを買いに出掛けようとしたとき、おれは荷車の下に何かがいるのに気づいた

おれ「何やってんだよ…」

その子猫はおれが眺めているのに気付くと顔を上げ、物欲しそうな顔でにゃあとないた
がりがりに痩せていたし、かなり弱っているみたいだ
おれ「いやいや、おれ猫のエサとか何も持ってないって」
えぇと、おれが持っているのは小麦粉とパスタの乾麺、モカにやるための干し草と水、あとは非常用の鰯の缶詰めぐらいか

…うん、子猫にやれそうなもんあるなw

缶詰めをあげると子猫は勢いよく舐め始めた
やっぱりおなかが減っていたんだろう

おれ「よし、でもおれ今からにわとり飼うからお前に毎日エサをやったりは出来ないから、ごめんな。強く生きるんだぞ!」

そう言い残して、おれはとりあえずにわとりのエサを買いに出掛けた

帰宅
買ってきたエサはこんな感じだ

それからというものラテは荷車の下に住み着き、おれにもよくなついた
ラテは呼んでもいないのにおれの膝に乗ってきて昼寝を始め、おれが撫でると気持ち良さそうに喉を鳴らした

そんな風にラテと触れ合っていたら、おれもラテのことが好きになったけど、それでもまだおれはラテを連れていくべきではないと思っていた
小さく弱い彼を遠く離れた港町までの旅に付き合わせてしまうのはおれのエゴで、彼を危険に晒すことになるし、ネコにはそれなりに複雑なネコ社会があるんだから周りの野良猫達との関係を考えてもここに留まらせるべきだと考えたからだ

でもそう考える一方で、ここに留まらせる方が危険なんじゃないか、実際初めて会ったときは弱ってたじゃないか、おれがいなくなったらこの子猫はどこから食べ物を調達するんだ、という思いもあっておれはかなり悩んでいた

そして数日が過ぎたある日のこと、いつものように荷車の近くでラテを撫でていると、荷車の停めてある場所の近くの家に住んでいるおっさんが話しかけてきた

おっさん「あんた、良かったらその子猫連れて行ってくれないか?
おれの妻はネコアレルギーでな、少しでもこの辺りの猫が減ってくれるとありがたいんだが」

ラテの鳴き声が聞こえなくなっているのに気付いたのは4kmほど歩いたときだった

いやな予感しかしない

荷車の中の段ボールの箱を確認してみる
空っぽだ
ラテは途中で荷車から降りてどこかへいってしまったらしい

車道から少し外れたところに川はあったが、この辺りにラテがエサを食べられそうな場所はない
もし3km離れた場所にあるイミルシルの町までたどり着ければなんとか生きていけるだろうが、これなら連れていかない方がマシだった

連れていくなら絶対に荷車から降りられないようにするべきだったんだ

今更後悔しても遅い

引き返してラテがいそうな場所を一通り探してみたけど、ラテを見つけることは出来なかった
ラテが元の場所に戻って来る可能性にかけてみようと思い、おれは元いた場所に戻り、そこでラテを待つことにした

でも、次の日になっても、その次の日になっても、ラテがその場所に戻ってくることはなかった

いくら待ってもラテは来ない
すごく悲しいが、残念ながらラテとは縁がなかったと割りきることにした

その場合、本来飼うはずだったにわとりがいれば気が紛れるんじゃないかと思い、近隣の村人からにわとりを2羽購入することにした

名前はこの町を出てからじっくり考えて決める予定だ
両方ともメスなのは間違いなさそうだったが、次の日の朝になっても彼女らは卵を産まなかった
元飼い主が。白い方は下痢なので今日卵を産むのは難しそうだが黒い方は朝卵を産むだろうと言っていたので期待してたんだけどだめだったみたいだ

でもまぁ、二人とも毎日産む必要はないし、定期的に卵が少し手に入れば十分だと割りきって出発することにした

さぁ、出発だ

昼頃になっても未だに卵を産んでくれないにわとりたちを連れて、ラテのいないキャラバンは次の目的地、アズロウの森の大樹に向けて出発した

卵産んだ!
位置的におそらく黒い方のにわとりが産んだようだ

やった!
今日は卵かけごはんにしよう!(小さいガスタンクを荷車に積んでいるので火はいつでも使えるのと、米も荷車に積んでいるので可能だ)

なんてことを考えながら卵を回収し、少し上機嫌になったその20分後のこと

町から3kmくらい離れた地点でのこと

はぁ、でもラテにはほんと酷いことをしてしまったなぁ…
連れていくか元いた場所に戻すかは置いとくとしてもせめてもう一度ラテと会いたいなぁ…

そんなことを考えながら寂れたガソリンスタンドの横を通りすぎたとき、おれは白と茶色の小さな何かを視界の端に捉えた

見逃す訳がない

見逃して、たまるか

距離はかなり遠かったけど、なぜかこの時は確信があったんだよなぁ
カメルーンで暮らしてた時もさんざん卵かけごはん食べてたけどなんともなかったw
ていうかパンしか食べてなくて栄養不足で時間もない時とか、道中水は貴重だからにわとり小屋とか素手で掃除した後手を洗うこともなく生卵を手に乗せてそのまま食べることも多いけど、多分サルモネラよりおれの手のひらの方がヤバイw

ガソリンスタンドの端を歩く白と茶色の小さな何か―子猫を見つけたときはかなり距離があったけど、おれには確信があった
モカの手綱を急いで柱に縛り付け、鰯の缶詰を握りしめて子猫に走り寄る
子猫は最初少し驚いた様子だったがしばらく躊躇った後、ゆっくりおれの方に歩み寄ってきた
あぁ、間違いない
缶詰を開けるとラテはすごい勢いで食べ始めた
ガソリンスタンドに猫の食べ物なんてないし、お腹が減っていたようだ

ガソリンスタンドの店員「中国人、あんた、優しいんだな!その猫、昨日からここに顔を出すようになったんだ」
おれ「おれは日本人だ。TOYOTAとかMITSUBISHIとかの。この猫、おれの友達なんだ。向こうはどう思ってるか分かんないけど。」
ガソリンスタンドの店員「そうかそうか。で、その猫どうするんだ?連れてくのか?」
さて。

?キャラバンに加えて連れていく
?3km引き返して元いた場所に戻してやる
?食べ物が豊富にありそうなイミルシルの中心街に置いてくる
?このままガソリンスタンドに放置

まず?は論外だ
食べるものがないし、死んでしまう
?、3km、モカの足だと1時間かかる距離を引き返して置いてこようか
わざわざ猫アレルギーの奥さんがいる家の前に?
嫌がらせじゃないのか、それ
そもそもあそこはあまり食べ物も豊富じゃないようだったし
?、町の中心街、食べ物が豊富そうだったけどそれと同時に猫同士の競争も激しそうだった
こんな小さな猫の入る余地なんてあるのか?
虐められてケガが治せずに死ぬのがおちじゃないのか?
でも危険度で言えば?だって十分危険だ
どちらが安全かなんて今の時点で結論は出せない
いくら考えても結論は出なかった
その結果、おれが選んだのは「保留」という結論だ
とりあえず連れていって、もしラテが荷車やキャラバンでの生活に慣れず、おれにもなつかなかった場合はその時点でどこか安全そうな小さな村で下ろしてやることにした
ヒモで首輪を作ってラテの首につけ(首輪と首の間におれの指が2本入るだけのゆとりがあるかどうかは毎日確認している)、荷車に結んでおくことにした
また、首吊りみたいな状態にならないようにヒモの長さを調整して荷車も少し改造した

かくして、最後まで連れていくかどうかはまだ保留ではあるものの、ラテがキャラバンに加わることになった

アメリカはNYとラスベガスで野宿したことがあるけどスラムではないな
スラムに出入りしてたのはインドネシアとかフィリピンとか

問題…
夜中酔っぱらいにガラス瓶の破片突き付けられたり、若者に囲まれて金だしなよって言われたりとかはあるけど実際に怪我したり金払ったりしたことはないし問題と言える程のことじゃないな
そういう人たちってだいたい暇をもて余してるだけだからオープンマインドな感じで話してれば普通に友達になれるし、友達になってからはもちろん金払えとか言われないし
普段からみすぼらしい格好をするのはもちろん、野宿の際の寝る場所とか情報収集の相手、頼み事をする相手なんかは常に状況に応じて選んでるし、盗難もされないようにオレなりに工夫してるから未だに何らかの損害を被ったことがないな

つづき
にわとりが卵を産んでくれたことと、ラテに再開できたこと
素晴らしいことが立て続けに起こって満足したのと、一気にキャラバンのメンバーが増えたので世話がかなり大変になるだろうと思ったので、今日はこれ以上歩くのはやめてイミルシルの湖のほとりで野宿することにした

さて、まずはにわとりたちの名前を考えよう
黒くて少し小さめのにわとりと、白と茶色の比較的大きいにわとり
モカ、ラテ、ときたのでもう今回のキャラバンメンバーはコーヒー関連の名前にしようと思った

…というわけで、命名

ブラック(奥、黒い方)、カプチーノ(手前、白と茶色の方)

よし、これからも卵を頼んだ!
ブラック、カプチーノ!

ふとモカの方を見ると、湖に住み着いているであろうロバと仲良く食事をしていた

湖には3頭ほどロバがいたんだけど、野良ロバという訳ではなく彼らにはちゃんと飼い主がいる
運ばせる荷物もなければ買い手も見つからないので維持費節約のために湖で放置、といったところだ
この状態のロバはモロッコで最も自由なんじゃないかと思う
のんびり自由に歩き回るロバたちを尻目におれは夕食の準備を始めた

そしてこの日の晩ごはんはおれお待ちかね、卵かけご飯!!!

今日は朝からモカの様子がおかしかった
やたらと登りたがらない、降りたがらない
平坦な道以外は拒否している雰囲気だった

特に下り坂に関しては苦手意識が出来てしまったらしく、どうしても進もうとしない
おれ自身荷車を動かしてみて思ったが、下り坂だと後ろから荷車に押される形になるので確かにけっこう怖い

午前中、モカはくしゃみを2回だけしたが、回数が少なかったので気にせずにいると、12時頃、モカが道幅がとても狭い下り坂で全く動かなくなった
これまでは立ち止まったとしてもせいぜい30秒位だったのに、この時はどれだけ待っても動いてくれなかった

モカの顔をよく見ると少し鼻水を垂らしていた
風邪だろうか

やばい
ここに留まっても状況は悪化する一方だし、ラテやブラック、カプチーノ達のことも考えると一刻も早くどこか落ち着ける場所に移動するべきだ

そうこうしているうちに天気も崩れてきた

どう考えてもやばい状況なんだけど、そんな中、おれはどうしても突っ込まずにはいられない事があった

おれ「モカ!お前こんな状況でなんで発射してんだよwww」

…なんだろう、このロバ変態なんだろうか

ちなみにイミルシルに着くまでは「ロバに荷車引かせて旅なんて無理だよ。諦めなよ。」って言ってくる人が多かったんだけど、イミルシル越えたこの辺りからはそういうことを言う人はいなくなった
これは実際に100km以上歩いたからだと思うけど、このあとも人々の反応はちょっとずつ変わっていくからそれも書いていくことにする

次の日、30kmほど歩いた後、草むらで野宿しようとしていると目の前にパトカーが止まり、警官が出てきた

警官「やぁ。私は警官で、名前はノリディーンだ。
君は、そしてこの荷車とロバはいったい何なんだい?」

おれ「おれは日本人で、名前はGoです。ロバに荷車を引かせてタンジェまで行こうと思ってます。今日はここで野宿する予定です。」

ノリディーン「そりゃ面白いな!でもここで野宿かい?
もう少し向こうに行ったらいくつか民家があるけど、民家の人に頼んで泊めてもらったらどうだい?」

おれ「もうすぐ暗くなるし、民家の人に断られたら寝る場所がなるなるのでここにします。」

ノリディーン「そうか、分かったよ。気を付けてな。」

そんな感じのやり取りをしてノリディーンは帰っていったが、その1時間後、ノリディーンはまた来た

ノリディーン「Go! ここから1km先の民家の人に泊めてもらえるようにお願いして許可もらってきたぞ!一緒に行こう!」
まじか、てかなんだそのかわいいノリは、なんて思ったけど断る理由もないのでありがたくその民家を利用させてもらうことにした
ノリディーンが紹介してくれた民家のご家族はとても優しい人たちで、晩ごはんをおれにご馳走してくれた
そしてその夜、さすがに屋内に動物はダメだろうと思ったのでラテを荷車に残し、その民家のお祈り部屋で就寝
明け方お祈りの呪文詠唱がすぐそばで聞こえてきて起こされた時を除けば快適に眠ることができた
いや怖いわw

今回に限った話じゃなくて、基本的におれが冒険の計画とかを話すとみんな「無理だ。やめとけ。」って言いますね
おれからすれば可能だと思ってるから話してるんですけどね
モロッコの警察はめんどい場合もありますが大体は味方になってくれるのでありがたいです

つづき
今日は水不足に悩まされた日だった
というのも、地図上に3つの湖が記載されていたにもかかわらずその全てが枯れていたからだ
もちろん想定の範囲内だし、非常用の水も使えば十分に賄える
今日中にどこかの民家で水を分けてもらうことができれば済む話だ

そして夕方、歩いていると目の前でパトカーが止まり、見覚えのある人物が出てきた

おれ「ノリディーン!昨日あったところから30km以上離れてるのに会うなんて奇遇だな!昨日はありがとう!」

ノリディーン「これが仕事なんだよw この辺りはおれの管轄だしな!
で、どうだ、今日はあと何キロ歩くんだ?」

おれ「今日はあと5km歩いて野宿する予定だ」

ノリディーン「そうか、なら5km先の民家に泊めてもらえるよう言ってきてやるよ!」

え、めっちゃ優しいやん…
そんな流れでノリディーンは今日も民家を確保してくれて水も補充できたんだけど、その民家に入る前にラテにお休みを言うために荷車の中を覗き込むと、ラテが爪を立ててひっかこうとしてきた
なんだか暴れている

最初は何かに怒っているのかと思ったんだけど、途中で気付いた
…あぁ、遊び足りないんだ、この猫

実際、外に出してやってしばらく遊んでやっているとラテもおとなしくなった
昨日もおれが民家に泊まったせいでおれと夜遊ぶ時間が無かったから、それでストレスがたまっているんだと思った

ラテに寂しい思いをさせるべきじゃないなと思ったので、民家の方に謝って民家の前でラテと野宿することにした

どうやらラテはおれの上で寝るのが好きらしい
若干屈辱感はあるけどかわいいから許す
…いやでもおれの首の上で寝るのは重いからやめて欲しいんだけど

さぁ、地図によると明日は少し大きめの町を通過するみたいだ
気合い入れていこう

夜中に襲いかかってくる布団とかwww寝れねーよwww

つづき
今日通過する町の名前はアグバラ、おれとモカにとって初めての「町」だった
遠くに見えた時から感じていたけど、でかい
そして町の入口には規則正しく並んだ街路樹や街灯があり、これまでの村とは明らかに雰囲気が異なっていた
そしてなんと町の入口付近で警官のノリディーンさんとまた会った
管轄どんだけ広いんだこの人は
ここまで車の往来が激しいのも初めてだったけど、このころにはもうモカとの連携が上手く出来るようになっていたので特に問題は起こらなかった

その後、町の中で休憩していると町長が来てコーラやオレンジ、肉料理やサラダ、煮物、そしてソースに至るまで、至れり尽くせりの料理を振る舞ってくれた

町長をはじめとして町の人々は皆優しく、大きな問題も起こらなかったのでおれとモカの町デビューは大成功だった
町を出る直前、一人のおっさんがロバの扱いを教えてやるとつっかかってきた
おっさん「ほれ、こうやって尻を叩くんだ」
おれ「やっやめっ…」

…あれ?
モカは今までみたいにおっさんを蹴飛ばそうとしなかった
最初は怒ってないのかと思ったけど、モカの耳の角度(ロバは耳の角度で気分や体調がある程度分かる。写真は怒っているとき)は確実に怒ってるときのそれだった

モカを観察しているうちに、おっさんがもう一度モカの尻を叩く
モカはやはり怒っているようだが、蹴飛ばそうとはしなかった

おれ「やめろって言ってるだろ!」
おっさん「実際速く歩くようになったじゃないか!ほれもう一丁…」
おっさんが3度目に叩いたその瞬間、ついにモカがキレて暴れだした
モカはなかなか怒りが収まらないようで、おっさんがモカから離れてからも何度も蹴りを繰り返していた
最後はキレたけど、これはこれまでのモカとは明らかに違う我慢強い対応だった
そういえばキャラバン旅に出てからモカの性格が少し穏やかになったように感じる
やっぱり小屋に閉じ込められて過ごすよりも外を歩き回る方がモカにとってはストレスが少ないということだろうか
実際のところは分からないけど、おれは今回のモカの変化を前向きに捉えることにした

…それにしても、モカの真後ろにあるにわとり小屋壊れなくて良かった…

その後、日が暮れるまで歩き、町長の教え(おれが寝る場所も管轄内だそうだ)に従い、民家のすぐ近くで寝ようとしていると、なんとその民家の方がラテも一緒に家の中で寝てもいいと言ってくださった
実は今日は出発以降初めて雨が降らなかった日だ
野宿はしなかったけど、夜風が気持ちよくて星空がきれいな夜だった

そう、特にアフリカなんかは国によって常識も人種も気候も全然違うし、実際行かないと分からないですよね

つづき
次の日、いつものようにモカと歩いているとトラックに乗った男が声をかけてきた
ちなみに書いてなかったけど車に乗った人々が声をかけてくるのはよくあることで、これまでも平均するとだいたい一日20組ぐらいの人々に声をかけられていた

男「よぉ兄ちゃん、元気かい?」
おれ「あぁ、神様のお陰で今日も元気だよ」(こっちでは定番の返事だ)
男「神様のお陰だな!兄ちゃんこれ見てくれよ!これ、あんただろ?」

男が差し出した携帯を見ると、おれが写っている
以前イミルシルに着く前に長距離トラックの運転手に頼まれて記念撮影したものだ

おれ「うん、これはおれだけど、なんでおじさんがこんなもん持ってるんだ?」
男「これは仕事仲間が送ってきた写真だ。おれら長距離トラックの運転手の間じゃあんたは割と有名なんだよ。そうだ、おれとも一緒に写真とってくれよ。」

快諾し、写真撮影をする
…これもメールとかで回されるんだろうなぁ…
その後、少しだけ今回の冒険の話を男として盛り上がった後、別れ際にこんなやり取りがあった

男「ありがとな!
兄ちゃん、砂漠から(おれが出発した村はそこまで乾燥していない地域だけど、この辺りより北では「砂漠」と呼ばれている)来たんだろ?それにしても大変な旅だよなぁ…
あ、そうだ。なんか困ったこととかないか?何かおれに出来ることがあれば言ってくれ!」

…正直何不自由なく暮らせてるんだよなぁ…
でもせっかくなので、何かお願いできることはないかと思考を巡らせてみる

あぁ、そういえば今回の冒険のキーワード(「行商」「キャラバン」)である行商要素がまだ満たせてなかったか

おれ「おじさん、ここにおれのにわとりたちが産んだ新鮮な卵があるんだけどさ、これを一個10DH(100円ぐらい。モロッコでの卵の相場は一個1.5DH。)で買い取ってくれればそのお金で食べ物を買ったり動物達にたっぷり餌をやれたりするんだけど、どうだろう?」
男「なんだそんなことか!写真も撮れたし、いいよ、これやるよ!」

男はおれに紙幣を渡してきた
その額、20DH

おれ「え、まじか、ありがとな!おじさん!」
男「このぐらいならどうってことないさ!あとな、卵はあんたがとっときな。卵は見れただけで満足だ。こんな旅じゃあ食材の補給も難しいだろう。貴重な卵だ。」

こうしておれは、何を失うでもなく、実質記念写真を撮って少し冒険の話をしただけでお金を手に入れることができた

ちなみに一日5DHもあれば全員分の食費が賄えたので、20DHあれば4日はもつ

そしてその夜、水源沿いにあるおかげで水が使い放題のレストランに到着したのでこの日はそこで野宿することにした

さぁ、明日は「州都」、ヘニフラという町に到着する
間違いなく大都市だ
田舎と比べて事故や盗難などのリスクがある分少し怖いけど、「今のおれとモカなら難なくいける!」というワクワク感の方が勝る
楽しみだ!

ほんとSNSの力って凄いですよね
料理好きなんで色々作りたいんですけど、荷車で移動するような大通りだと玉ねぎとトマト以外の野菜を手に入れるのがなかなか難しくて、玉ねぎ使ったりがっつり味付けしたりするとラテとシェアできないので今回料理はお預けですw

おれは、動物の幸せさって「物理的な自由さ」と「食の豊かさ」、「つがい、仲間の有無」の3要素で決まるんじゃないかなぁと思っているので、おれの食べ物はできる限りシェアして動物達にいろんなものを味わってほしいです

>>213
年収www
質問の内容がちょっと理解できてないけど、この小遣い稼ぎの収益力に関しては後で具体的な数字を交えながら検討する場面があるからもうちょっと待ってw

それとも全体的な年収は?って質問なんだろうか
年収とか考えたことないしおれの場合年によってかなり変わると思うけど、今年みたいに一年の大半を外国で過ごしてるような年だと百数十万円とかじゃない?
翻訳とコーディングでネットで稼げるから外国でも金が必要になる度に随時稼いでて、そのお陰で何不自由ない暮らしが出来てるから、稼ぎに関してはおれ的に百点満点なんだぜ!
タジン、クスクス、ハリーラスープにベルベルオムレツ…
モロッコ料理は野菜をじっくり煮込んで作るものばかりなのでうまみが凝縮されてて凄くおいしいです!
ハリーラスープなんかは十種類ぐらいスパイス使ったりするみたいですね、日本ではなかなか手に入りそうにないのが残念です

今日の目的地は州都、ヘニフラ
ヘニフラの町ではとにかく気を使うことが多く、疲れた
車も人も多すぎるし、ロバを停めておく場所を探すのも一苦労だ

…ていうかさすがに浮きすぎw

車も人も多すぎる
声をかけてくる人、スマホで写真や動画を撮る人、特に理由もなくついてくる子供たち
ただでさえ車が多いのに加えてそういった人たちが死角を作るせいで安全確認がより難しくなり、ただ移動するだけでもかなり疲れる

大通りから細い裏通りに入ろうともしたけど、モカと荷車の長さを合わせると3mもあるため直角に曲がるのが難しいのと、この頃はバックも出来なかったので正面から車が来たら詰むという理由で裏通りは諦めた
そして野宿場所を探してさ迷っていると町の中心部の広場的なところにたどり着いた
そこはそれなりに安全そうな雰囲気があったので野宿の準備していると、警察が声をかけてきた
より安全な場所に案内できるがどうだろう、とのことだ
断る理由もないので快諾
連れていかれたのは警察署正面の駐車場だった
なるほど、ここなら夜間でも警察署の警備の人間がいるからかなり安全だ
警察署の人に感謝を告げ、今日はその駐車場で寝させてもらうことになった

なにも問題がなければ第二の目的地、アズロウの森まではあとちょっとだ!

写真は昼休憩の時のラテ

都会とキャラバンってすごく奇妙な感じでしたね…
猫初心者のおれとしては猫が可愛いのかラテが可愛いのか分かりませんが少なくともラテは可愛いですw

>>223
そういえばブラックとカプチーノの話全然してなかったw
というわけで、にわとり達について少し話そうと思う
もちろん二羽ともメスなんだけど、カプチーノ(写真右)はブラック(写真左)よりも少し体が大きくて(立ち上がると高さ40cmくらい。ブラックは37cmくらいかな。実は二羽ともけっこうでかい。)、攻撃的な性格だ
ピーナッツや卵の殻が好物なんだけど、基本的に取り合いになるとカプチーノが独り占めしてしまうからそうならないように手で直接それぞれにあげたりしてる
二羽ともいつまでたってもおれの指が食べ物じゃないことに気付いてくれなくてよくつついてくるw
飛べないと思われがちだけど、1-2mくらいの高さまでなら難なく飛べる

色んな鳴き声で鳴くんだけど、鳴き方もそれぞれ癖があって、カプチーノは「ヒョォーーー」って鳴くことが多くて、ブラックは「コッコッコッコケッ」って鳴くことが多い
卵を産む頻度はブラックの方が上で、3日で2個ぐらい、カプチーノは3日で1個ぐらいかな
卵の大きさもブラックの方が大きいことが多い

つづき
次の日の朝、疲れがとれないままヘニフラの中心街を出て、町外れのガソリンスタンドでモカに食事をさせる
今日はいつもより少し少な目に歩く予定だ
昨日からだけど、昼間あまりにも暑い
暑いんじゃなくて熱い
だから、今日はエジプトで手に入れたベドウィンスカーフを水に濡らして顔に巻くことにした
こうすればどんなに暑くても水が乾くまでは平気だ

午後からは久々にほぼ坂道だったけど、今までになくいいペースでモカが歩いてくれた
モカも歩き慣れてきて筋肉がついてきたのかもしれない
日が暮れる直前、ロバや牛、七面鳥(こっちではけっこうよく見かける高級品、相場は一羽2500円ぐらい)に至るまで、様々な家畜を飼っている民家に行き当たった
家畜がたくさん野放しで飼われている=家畜泥棒などの恐れもなく、攻撃的な野犬などもいない
ということなので、その民家の主ムハンマドさんにジェスチャーで大まかに状況を伝え(フランス語もアラビア語もダメな人だった。)、家のとなりで寝かせてもらうことになった
ところが寝る直前、荷車を眺めていたムハンマドさんが急にタイヤを指差してこう言った

ムハンマドさん「ンアーッアッンアーッアーー」

…は?

旅費はVISA加盟店で利用できるデビットカードを使ってます
一応保証ありで、引き出し限度額の設定も随時細かくできてVISA対応のATMから現地通貨が引き出せるのでなかなか便利です
基本的にネットはスマホに現地SIM挿してやってますが、海外から2chに書き込むには多少工夫が必要なので書き込みだけはパソコンからやってます
電気は太陽光発電で、パソコンもmicroUSB給電で使えるタブレットPCを持ってきました
盗まれることを前提にパソコンとスマホを3台ずつ持ってきてるのでそうそう連絡途絶えたりしないですw

つづき
ムハンマドさんが指差すタイヤを確認してみる

…パンクしていた

ムハンマドさん「ンアーンアー」
そこでムハンマドさんがまた訳のわからない言葉を発した
ベルベル語…いや違う
おれがこれまで聞いてきたベルベル語とは音域が違うし音数も少なすぎる

…なるほど、多分だけど、
「お互い言葉も通じないし自分達の言語使うんじゃなくてむしろおれたちの言語を今この場で作ろうぜ!」
みたいなノリなんだろうw

それならばっ!

おれ「ンアーッアッンアー!」(桶!桶に水汲んで来てください!タイヤのチューブ沈めて穴の空いてる場所を特定します!)
ムハンマドさん「ンア」(分かった)

…うん、すごく恥ずかしいしジェスチャーだけでいいんじゃないのかという疑念はあるけど、まぁそれなりにコミュニケーションはとれてるようだ

そしてその後、原始人みたいな言葉でムハンマドさんとあーだこーだと言いながら、何とかチューブの穴を塞ぐことができた
でも、穴は塞いだはずなのにチューブを元に戻しても空気が入らないという問題が発生した

結局どうにも上手くいかず、何か決定的なミスをしている可能性もあると考えたためタイヤは荷車には戻さず、次の日6km離れた村のバイク屋に持っていくことにした

不安定な荷車で寝るのは危なかったので(タイヤの代わりに石が挟んであったが、万が一寝返りなどで重心が変わって荷車が倒れた場合強度的に半壊する恐れがあった)、野犬に囲まれ威嚇されつつも地面に段ボールを敷いて野宿することにした
ちなみに野犬が危ないのでラテは荷車内で寝てもらった
ムハンマドさんは家に泊めてくれなかったが、薄い絨毯と枕の代わりの穀物入りの袋を持って来てくれたので、快適だ

野犬は正直ヤバイが、いざというときは起きて戦おう
噛まれなければどうということはない
そう考えながら、いつでも起きれる浅い眠りについた

以下はあとで書こうと思っていたことなので若干のネタバレになりますが…
実は、ラテの場合は出会った時からずっと少食で心配してたっていう理由もありましたね
食べ物も飽きないように鰯缶以外にもいろいろ与えてて、排便も排尿もきちんとしてるんですけど、食べる量が少なすぎるんですよね…
少食でも栄養が採れるように牛乳あげたり卵黄をちょっと加熱したものをあげたりしてて、この後の町、アズロウでもフェズでも動物病院に連れていくんですけど、予防ワクチンが射てないんですよ…痩せすぎてて…

最近風景画像あんまり貼れてない気がするから、乾燥地帯からアズロウの森付近に至るまで(200kmぐらい)の風景の大まかな推移を貼ろうと思う

ラテは魚より肉派なんですけど、荷物や動物たちを守りながらだと肉の入手がかなり難しいんですよね
村の小売店には肉は置いてないし、何とか入手したとしても半日で腐りますし…
この状況で安定して肉を得る一番現実的な方法は食用の鶏(その辺で普通に売ってる。生きた状態で1kg15DHとか。)を荷車で飼って随時絞めるやり方なんですけど、ブラックとカプチーノの傍らでそれやるのもなぁ…ということで今回肉は諦めましたw

ちなみにラテとブラック・カプチーノは常に距離とらせてますw

今日は朝8時頃遅めに起きて、パンクを直すべくタイヤを持って近くの町ムリートまでいくことにした
野宿した地点からたった6kmの場所に大きな町があったのはかなりの幸運だ
タイヤ抱えて往復12km歩くのは時間の無駄な気がしたのでヒッチハイクでムリートへ向かう

ムリートに到着後バイク屋で確認してもらったところ、穴が開いていたのは一ヵ所だけでなく複数あり、さらにタイヤの内側にゴムでできたとげがあるのも発見できた

35DH(400円弱)でチューブの新品が買えたので交換することにし、またヒッチハイクで野宿した地点まで戻ってモカと再出発

夕方、ムリートを過ぎて少し歩いたところで廃墟を発見

風通しのよさそうな場所だったので、今日は荷車内ではなく廃墟内で寝ることに決定した
余っていた段ボールを下に敷いて寝る

この辺りには犬も少なく、安全だったのでこの日はラテと一緒にぐっすり眠ることができた

ちなみにこの日かなり快適に寝ることができたのでこれ以降の旅では特に理由がない限りは荷車の外で寝るようになった

さあ、次はいよいよモロッコ一大きい樹があって猿がたくさんいると言われるアズロウの森に到着する
アズロウの森の中で1週間ほど暮らす予定だ

どんな人々と出会えるんだろうか、仲間は増えるんだろうか

…めちゃくちゃ楽しみだ!

360度、どこを見回しても猿がいて、おれを注意深く観察しているようだった
攻撃してくる様子はなさそうだったのでとりあえず荷車を森の中に駐車してみんなに餌槍をしていると一人の女性が近づいてきた

女性「はじめまして、私はラブハー。大樹の周りでヘナタトゥー(1週間くらいで消えるタトゥーだ)をやっているの。よろしく。えぇと、あなたは…何人?」
おれ「おれはGo。日本人だ。見ての通りロバたちと一緒に旅してて、ここには1週間くらい滞在しようと思ってる。よろしくラブハー。」
ラブハー「ここに?1週間も?
…そうなると水が問題ね。ここから水がある場所までは4km離れてるもの。
でも、そういうことなら私の姉が大樹の隣でカフェをやってるから水を少し分けてもらうといいわ。」
おれ「いや、さすがにそれは悪いって…
…水は十分あるのか?」
ラブハー「ロバに飲ませる程度の量なら大丈夫よ。明日以降は少し多めに水を持ってくるとしても、私たち車でここまで来てるから問題ないわ。」

水がないのは想定外だったが、なんともありがたい申し出だったので、夕方ラブハーの姉が店を閉める直前に毎日余った水をもらうことにした。

その後ラブハーと別れ、しばらくすると観光客が増え、土産物屋も開店しだした
ちなみにここには土産物屋以外にも、猿の餌を売る少年少女やホースライド体験で小銭稼ぎをしている青年たちがいた。

360度、どこを見回しても猿がいて、おれを注意深く観察しているようだった
攻撃してくる様子はなさそうだったのでとりあえず荷車を森の中に駐車してみんなに餌槍をしていると一人の女性が近づいてきた

女性「はじめまして、私はラブハー。大樹の周りでヘナタトゥー(1週間くらいで消えるタトゥーだ)をやっているの。よろしく。えぇと、あなたは…何人?」
おれ「おれはGo。日本人だ。見ての通りロバたちと一緒に旅してて、ここには1週間くらい滞在しようと思ってる。よろしくラブハー。」
ラブハー「ここに?1週間も?
…そうなると水が問題ね。ここから水がある場所までは4km離れてるもの。
でも、そういうことなら私の姉が大樹の隣でカフェをやってるから水を少し分けてもらうといいわ。」
おれ「いや、さすがにそれは悪いって…
…水は十分あるのか?」
ラブハー「ロバに飲ませる程度の量なら大丈夫よ。明日以降は少し多めに水を持ってくるとしても、私たち車でここまで来てるから問題ないわ。」

水がないのは想定外だったが、なんともありがたい申し出だったので、夕方ラブハーの姉が店を閉める直前に毎日余った水をもらうことにした。

その後ラブハーと別れ、しばらくすると観光客が増え、土産物屋も開店しだした
ちなみにここには土産物屋以外にも、猿の餌を売る少年少女やホースライド体験で小銭稼ぎをしている青年たちがいた。

昼過ぎ、キャラバンの動物たちに餌をやり終え、やることもないのでのんびりしていると観光客のグループが話しかけてきた

観光客「写真、撮ってもいいですか?」
おれ「もちろん!」

写真撮影を終え、観光客たちに冒険の説明をする
みんな興味津々の様子だ

…あれ、こんなこと前にもあったような

これまた小遣い稼ぎしてもいいんじゃね…?

おれ「もし、できればでいいんですけど…」

結果、以前の長距離バスの運転手とのやり取りのような感じで15DHを手に入れることができた
できれば…とかいってるけど、こんな山奥まで車で観光に来ている人たちがおれに小銭を支払えないわけがない

これまでの経験のおかげで交渉に関してはかなり自信がある
ここ数十年のモロッコでロバを連れてこんな旅をしているのはどうやらおれだけらしいし、移動しながら卵を産むにわとりなんてのもかなり珍しいはずだ
ラテの可愛さなんか理論を超越してるレベルだし、モロッコの宗教的な背景も含め、小銭稼ぎを安定させる勝算はあった

あとは周りの商売人たちがどう思うかだったけど、おれがいたのは大樹から少し離れた森の中だったし、そもそもこっちでは商売に関してけっこう無頓着な商売人が多いから問題なさそうだった

というわけでおれは、冒険譚や写真撮影、にわとりの卵なんかを利用してひっそりと小銭稼ぎを始めることにした
初日からあまり目立った動きはしたくなかったので、おれに興味を持って話しかけてくる観光客限定だ

この後も夕方まで何組か観光客が来たため、結局この日は107DH(1000円ちょっと)稼ぐことができた

1日で1000円も稼げたらモロッコでは大儲けなんだけどなw
こっちは平均年収25万円とかだから

つづき
(1DH=だいたい10円)

107DHというと、出発地点のトドラ渓谷からここまでにかかった旅費とほぼ同額だった
1週間も滞在すれば、タンジェまでに必要になる予定額(ここまで一日平均5DHぐらい使っていて、多めに見積もってタンジェまで30日なので、少し贅沢な暮らしをしたり新しい仲間を引き入れたりすると仮定すると300DHくらい必要だ)は余裕で稼げる気がした

土産物屋に関しては仕入れ値の推定が難しいのでわからないけど、この時点でおれの周りで猿の餌を売ったりホースライドで小銭稼ぎをしている青年たちよりは確実に稼げていた
それでも特に何も言われず問題なさそうだったのは、ここがモロッコだったからだ

今日一日で周りの商売人たちともそれなりに仲良くなれたので、明日はもう少し本格的に稼いでみよう、なんて考えながら野宿の準備をしているとラブハーがやってきた

ラブハー「Go、調子はどう?
えぇと…そこで寝るの?」

おれ「そうだよ!野犬がいるみたいだけど慣れてるから大丈夫w」

ラブハー「うーん、もしよかったらなんだけど、私の父はこの観光地の責任者で、あなたのために夜間だけ土産物屋の小屋を貸してくれるって言ってるんだけど、どう?
夜間は野犬が危ないからその猫も一緒に寝ても大丈夫よ」

…なんと、ラブハーは偉い人の娘だったらしい
ラブハーはもしよかったらなんて言っているけど、もしおれの身に何かあったらラブハーの父に迷惑がかかるわけで、それは避けたい
そもそも断る理由なんてないしありがたく夜間限定で小屋を貸してもらうことにした

水も寝床もラブハーに世話になりっぱなしだけど、アズロウの森に滞在している間は安定した生活が期待できそうだ!

次の日

今日はもう少し積極的に稼いでみようと思った
…といっても強引に客を引いて来たり、集客を狙って大樹の近くに移動したりするのはなしだ
こんな森のなかじゃなくて大樹の近くなら少なくとも今の5倍くらいは稼げるんだろうけど、モカは人混みや騒音が嫌いだしラテも猿を怖がっていたので却下だ

昨日一日で時間帯ごとの観光客の増減や移動方向なんかはおおよそ掴めたので、それに適した形に荷車の方向を変え、おれは小銭稼ぎを始めることにした
目標金額は7日で300DHだ
昨日の感じでいけば余裕で達成できるから、余ればその分おれも動物たちも贅沢な暮らしができるだろう

おれ「よっしゃ、頑張るぞモカ!!」

まぁそんなこんなで小銭稼ぎを始めた
近くに来た観光客に声をかけ、冒険譚や写真撮影で小銭を稼ぐ
相手に応じて話を切り出すタイミングや金額を増減させるのがすごく楽しい
観光客の人たちも楽しそうだし、おれもゲーム感覚で楽しめるしでWin-Winだ

途中、遊牧中の羊が横切った時、モカがゆっくりと起き上がる

おれ「お前…興奮できれば何でもありなんか…」

モカは最高の相棒だけど、それと同時にハイレベルな変態でもあったみたいだ

この日は夕方になってもまだまだ観光客がたくさんいる日だった

交渉が楽しくて仕方がないおれ
五感を総動員させて相手の情報をかき集め、交渉を切り出すタイミングや値段を決めていく

1週間で300DH稼げれば十分なんだ、そんなに焦らなくてもいい…
…にしても楽しい

おれ「今宵、語られるはおれの冒険譚!!!」

…結局、その日稼いだ金額は374DH(4000円ちょっと)だった

※ごめん、これはほぼリアルタイムの実話だから、想定外のことや厳しいこともたくさん起こる
人によっては気分よく読めるの>>300までかもしれない
この辺りからこの冒険は一筋縄ではいかなくなってくる

次の日
朝、起きてモカと一緒にモカの餌探しに出かける
荷車を停めている辺りにモカの餌はほとんどないので、一日2回は放牧してやらないといけない

ラテはアズロウについてから元気いっぱいで、荷車についているヒモ(モカに結ぶ用途で使っていたもの)が遊び道具として気に入ったらしく、楽しそうに遊んでいた
なのでおれはラテを荷車に残してモカと出かけることにした

モカの餌が豊富にある林を見つけ、モカを放牧すること2時間(満腹にするにはそのくらい必要だ)、モカが満腹になったようなので大樹まで帰ることにした
荷車の手前でラブハーに会い、ラテの餌用に昨日の料理の残りの鶏肉を分けてもらった

ほんとラブハー優しい、ありがたい

ラテは肉が大好物だから喜ぶだろうなぁ、楽しみだなぁ
そんなことを考えながら荷車に到着

おれ「ラテ!
鶏肉持ってきてやったぞ!
来いよ!」

ラテは来なかったが、この頃はまだ名前を呼んでも反応しなかったから当然といえば当然だ
ラテはいつも臭いを嗅ぎつけて寄ってくる

…あれ、ラテ、どこ行った

ラテの性格上荷車の遠くには行かないだろうと思って探していると、案の定荷車の下にラテはいた

おれ「ラテ、ほら、鶏肉だぞ!来いって!」

…返事がない
ラテは動かなかった

あれ、ラテってこんなに薄汚れてたっけ…

ラテの様子がおかしい

このとき見えていたのは後ろ姿だったけど、座っていたから寝ているわけではないのは分かった

荷車の下は薄暗くてよく分からないのでラテの状態を詳しく確認するためにラテを持ち上げようとすると、ラテはおれが今までに聞いたことがないほど大きな声で鳴いた

…触られるのを極度に嫌がっている
警戒しているのか、怖がっているのか、痛がっているのか

分からなかったが、できるだけ優しくラテを手元まで連れてきて、外傷などがないか確認する

見た感じ特に傷があったり血が出ていたりするわけではなかったが、背中の辺りを触った時だけ強く鳴くことから、体内に物理的な異常があるんじゃないかと思った
毛はボサボサ、薄汚れていることから、何者かに襲われて怪我を負ったんだということは容易に想像できた

この森でこの時間帯にラテに危害を加えられる存在は一つしかない

猿だ

この森の猿たちは人間慣れしていたし人間には絶対に攻撃的な態度をとらなかったから安心してしまっていたけれど、弱そうな子猫にまで従順だと考えるのは都合が良すぎる考えだった
ラテは、猿に攻撃されて重傷を負ってしまったに違いない

すぐに、病院に連れて行かないと…

そして気づいた

今日、土曜日…

モロッコでは動物病院はどこも土日は閉まっているため、ラテを病院に連れていくには月曜日まで待たなければならない

ラテはいくら餌をやってもがりがりのままで余分な体力はなかったから、きちんと栄養のある食事を摂らないと月曜日まではとてももたないだろう

とりあえず荷車の中にあった水、鶏肉、鰯、チーズをラテの目の前に並べ、いつでも食べられるようにして観察をすることにした
そして夕方になった

ラテは、何も食べない
途中、何度も水やチーズを口元に持って行ったり口周りにつけてみたりしたけど、ラテは口元を舐めることすらせず、水は虚しくこぼれ落ち、口周りのチーズは時間の経過と共にカサカサになっていった

…だめだ、実際のところ1日ぐらい食べないのは問題ではないけど、朝から何も飲んでいないのはやばすぎる

時間が経つにつれてラテはどんどんぐったりとしてきた
体温もいつも以上に熱い

熱があるようだ

このままではまずい
そう考え、いったん下山し、牛乳を買ってきて与えようとしたが、やっぱりラテは飲もうとしなかった

猫は温かい食べ物のほうが食欲がそそられると聞いたことがあったので、牛乳に卵黄、小麦粉を混ぜたものを加熱してぬるめの温度で与えてみたが、やはりだめだ

…ちょっとかわいそうだけど、仕方ない
ラテの口を無理やりこじ開ける

口を開けても(実際は唇をめくっただけの状態)ラテは頑なに歯を閉じていたが、先ほど作った料理を歯に塗りたくって見守ると、ぺろぺろと歯を舐める仕草をした

…食べようとしてるんじゃなくて、多分歯に異物が付いてて気持ち悪いから舐めてるだけだと思うんだけど、とにかく口経由で栄養補給させる方法は分かった!

1-2分で一舐めずつぐらいのペースでしか与えられなかったけど、とにかくこの夜、その料理を大匙1杯分くらい与えることができた

よし、今日の早朝までは普通に水を飲んでいたはずだから、今晩はこれで十分だ
ゆっくり休んで体力を温存してくれ、ラテ

そしておれは不安な気持ちと戦いながら眠りについた

次の日

今日もラテは何も食べようとしなかったけど、弱々しくて今にも倒れそうな動きではあるもののジャンプや移動が出来るようになっていた
熱も少し下がったようだ

ただし、だからといってこのまま治るとも言い切れず、今の状態が生死に関わるかどうかなんておれでは判断できないのでもちろん明日動物病院に連れていく予定だ

この日も昨日と同じように加熱した卵黄や牛乳、チーズなんかを歯に塗って与え続けた

その夜、小屋の床で布団もかけずに寝るおれを見かねたラブハーがふとんを貸してくれたので、ラテのことは心配だったけど久々に質の高い睡眠をとることができた

次の日
動物病院にラテを連れていったが、獣医不在で助手しかいなかった

助手に猫について尋ねると、「専門外だからわからない」とのことだったが、獣医に電話をかけてくれることになった
その結果、リポDみたいな臭いのする薬とヨーグルトみたいな臭いのする薬の2種類を処方された
ちなみにモロッコには基本的に動物用の薬局なんてものはないので、動物病院ではなく薬局で薬を購入するようにと指示された場合はほぼ確実に人間用の薬だ

リポDみたいな臭いってかリポDだろこれ…
あげていいんだろうか…

回復後は注射をする必要があるらしいが、ラテが自発的に食べるようになってからだそうだ
多分感染症予防の注射だろう

大樹に帰って早速ラテに飲ませようとしたが、ラテは特にリポDの方は嫌いなようで、どうしても唾液と一緒に吐き出してしまう

仕方がないので頬の内側にある歯の隙間から薬を流し込み、できるだけ優しく口を無理やり閉じさせることにした
ラテは目を白黒させて暴れたが、何とか飲んでくれたようだ

その後しばらくするとラテは薬が効いたようで、相変わらず何も食べようとしないものの動きは8割りがた元気な時と同様に振る舞えるようになった
なんとかこのまま治って欲しい

夕方、カプチーノがブラックをつついていじめているのを発見した
アズロウに来てからずっと鳥小屋の中だからストレスが溜まったんだろうかと考え、ラブハーに相談することにした

おれ「ラブハー、さっきカプチーノがブラックをいじめてたんだけど、やっぱり鳥小屋が狭くてストレスたまってるのかな?」
ラブハー「そんなことないと思うわ。うちは広い庭でたくさんにわとりを飼っているけど、それでもいじめはよく起こるし。
毎日のように続くなら問題だけど、しばらく様子を見てみたらどうかしら。
…ただ餌は、もう少し良いものをあげてもいいわね。明日持ってきてあげるわ。」

ラブハーはにわとりについてかなり詳しく、卵を産むために必要なものや餌についてたくさんのことを教えてくれた。
ラブハーの家ではラブハーが子供のころからにわとりを飼っていたようだ。

ブラックとカプチーノについては、いじめが続くようならどちらか片方にキャラバンを離脱させるのも視野に入れて見守ることにした。

写真は、ラテしか写ってないけど大樹の近くでモカを毎日放牧させていた時のもの。
モカもラテもほっとくわけにはいかなかったけど、ラテを箱に入れて運ぶと両手がふさがってモカをひけなくなるし、かといってラテを鷲掴みにするとラテの体により負担がかかりそうだったので、この頃からおれはラテを肩に乗せるようになった
肩だけじゃなくて後ろにリュックを背負っていたからラテにとっては丸まって寝られる程度には広い空間だったようだ

今思えばラテはそもそも出会った時から全然食べてなかったなぁ
ラテの面倒だけ見てればいいってわけじゃないのがなかなか大変だったw

つづき
次の日のことだ

ラテを膝に乗せていると、ラテが急にのそのそと動き出した
先ほどまでラテがいたところをよく観察してみると、茶色いシミがある

この数日間、固形物はほとんど何も食べていないので液状かつほんの僅かではあったけど、それは猿に攻撃されて以来初めてのラテの排便だった

猫は自分の排せつ物の臭いがある場所をトイレにする習性があるのでおれの服がトイレ候補になった可能性は否めないが、そんなことはどうでもいいw
排便したということは少なくとも胃腸はそれなりに機能しているということだ

…よかった、少しずつだけど、ラテは順調に回復している…!
この時のめちゃくちゃ嬉しかったあの気持ちは、今でも昨日のことのように思い出すことができる

さぁ、今日も気合入れて頑張ろう!

…実は、ラテが猿に攻撃されてからもラテの様子を見つつ小銭稼ぎは続けていた
ATMは都市にしかないのでいつでも現金が引き出せるという状況ではないし、ラテやほかの動物たちに何かあった時の手術費用などを稼いでおいた方がいいと考えたからだ
ちなみにこの日までに稼いだ額は1000DHを超えていた

そしておれの機嫌とシンクロするかのように、この日はモカも上機嫌だった
まぁこの日モカが上機嫌だったのは午前中観光客の人たちからメロンや野菜をたくさんもらっていたからなんだけどw

ブラックとカプチーノに関しては、いつも以上に豪華な餌をやったからか、昨日のようないじめは起こらなかった
ちなみにその後、カプチーノがブラックをいじめることはなかったため、2羽とも継続して連れていくことにした

そしてこの日の夜、ラテに半熟卵を与えてみると、なんとラテは能動的に舐めてくれた
さすがに卵1個食べる元気はなかったみたいだけど、それでも大きな進歩だ
リポDの方の薬は毎回飲むのを拒否していたから多少無理に飲ませていたけど、多分それは臭いによるものだろう

大丈夫、ラテは大丈夫
毎日確実に良くなってきてるじゃないか

不安な気持ちを払拭するために何度も自分にそう言い聞かせていたのをよく覚えている

犬は番犬としての用途があるからドッグフードは大都市ではそれなりに普及していたけど、キャットフードは全然見かけなかったなぁ…

つづき
ラテは少しずつだが着実に回復してきていた
次の日、朝起きてラテに朝食を採らせようとしてミルクと水の前にラテを移動させると、ラテは恐る恐る容器に近づき、1分ほど飲もうとしてやめる行為を繰り返したあとで遂にミルクを飲んだ
水も飲んだ
どちらかというと水の方を意欲的に飲んでいた
薬はもちろん継続して与えていたが、やはりリポDの薬は嫌いみたいだ

さらに次の日
ラテがついに普通の排便をした
小さめだったが健康なときと見分けのつかない便だった

ある程度回復したようなので、念のため動物病院に連れていくことにした
出来れば感染症予防の注射もうって欲しかったし

今回は獣医がいたので直接ラテを見てもらうことになった
とりあえず大きな問題はなさそうだけど、と言って獣医は言葉を続ける
獣医「こんなに痩せてたんじゃあ体力的に注射はうてないなぁ。もっと食べて太らないと…」

確かにラテはがりがりだったが、そもそも出会った時からがりがりだった
この時点でラテと出会ってから3週間以上経過していたし、好きなだけ魚やチーズを与えていたんだけどラテは全く太らなかった
例えばアズロウにあと1か月滞在したとしても、ラテが注射に耐えられる程太れるとは思えなかった
アズロウでこれ以上ラテにしてやれることはないらしい

そしてその夜、ラテがついに毛繕いをした
鶏肉にかなり興味があるようだったが、食べず
その代わり半熟卵を口元に持っていくと美味しそうに食べていた

…あさって、出よう
90km先にはモロッコ第二の大都市、フェズがある
フェズの設備の整った動物病院でラテに健康診断を受けさせよう
そう決めて、がりがりのラテを抱きしめながらおれは眠りについた

写真はラテが早く元気になるようにと作ったカルボナーラ風スープパスタ

次の日
この日は荷車の掃除と装備の点検等を中心に行うことにした
大雑把な出来事しか書いてないから省略されがちだけど、実はこの時点で何度も荷車の修理、補修を行っていた
荷車の屋根の上に乗せるソーラーパネルの取り付け部を改良したり(着脱に手間取っているとラテが下からひっかいてくるw)、
モロッコ人にどこかしら壊されて(荷車から少し離れた場所で休憩している時やご飯をごちそうになっている時になんの躊躇もなくいじって壊す人は結構いたw)修理したりもした

この日に関して言えば、移動中の振動によって緩んだ釘を打ち直したり、モカが荷車をより運びやすいように改良したりした

この日の食事でラテは半熟卵の他にチーズも食べられることが分かった
それなりに高いところからの着地も安定して行えていたからかなり良くなっているかと思ったんだけど、夕方、ラテの横腹から膿が出ているのを発見した
猿に襲われた直後は目立ってなかったから全く気づけなかったけど、膿が出ている辺りの毛をかき分けると歯型のような傷跡が浮かび上がっていた

膿はしばらくすると収まったので、とりあえず消毒
その後調べたところ、よほど傷口が大きい場合やほかの病気が併発している場合を除いて、基本的に清潔に保てていれば膿は直ちに命に関わるわけではないということが分かった
もちろんできる限り早くしっかりした獣医に見せるべきだし、今まで通りにジャンプしたり動き回ったりしていたら傷が開いていつまでたっても治らないだろうから安静にすべきだ
かわいそうだけど、ラテは荷車の中で1週間くらい絶対安静させることにした
その場合、ここに留まっているとまた猿に攻撃される恐れがあるため一刻も早くフェズに向けて出発しないといけない

順調に治っていたからようやく少し安心していたところだったんだけど、ラテはまだまだ油断できない状況だったらしい
そしてその夜は、次の日スムーズに出発する為に大樹のある場所から少し下山した林の中で野宿することにした
ここなら野犬も猿もいないから安全だ

写真は、仲間にするかちょっと迷ったけど毒の強さは未知数だし万が一逃げ出してラテを攻撃したりしたら洒落にならないなと思って結局カプチーノのタンパク源となった野生のサソリ

うーん、木箱を入手するとなると木材買ってきて自作かオーダーメイド(職人は「1日で作る」っていうけど実際何日で作ってくれるかは割と運しだいw遅いと何週間もかかる)するしかないけど、
適当な大きさの木材入手する(6m単位とかでしか売ってくれない。鶏小屋作れたのはマジで運が良かった)時点でなかなか難しかったからなぁ
でもアズロウ以降は荷車の中にさえいれば安全だったから大丈夫だ!
ちなみにそもそもラテ自身ほかの猫や動物に対して喧嘩っ早いところがあるから今回の怪我はそれも影響してると思う
ラテが攻撃的にならないのはモカに対してだけかな
モカもラテに顔をくっつけたりするし、なぜかこの組み合わせは仲良さげな感じでみててほっこりするw

つづき、というか番外編
さて、ここから第3の目的地、フェズに向けて出発するわけだけど、その前にこの小銭稼ぎをガチった場合どんな感じになっていたのかも書こうと思う。
今回行商が目的の一つだったし、誰かの参考になるかもしれないから書き残しておこうと思う

アズロウに滞在したのは9日間
その間に稼いだ合計額は1,753.5DH(日本円だと19,000円ちょい)
一日当たり2,000円ちょい稼いでた計算になる

実際はラテを病院に連れて行ったりしてほとんど稼げなかった日もあったし、何より大樹にもう少し近ければさらに稼げたとは思うけど、とにかく1日2,000円ちょっとは稼げる感じだ
この調子で1ヶ月、27日くらい働けば(というか座ってるだけでもたまに人来るし30日計算でいいかもしれないw)6万弱、この時点でモロッコに来てからの滞在費とモカや荷車に製作にかかった費用を全額支払っても少し余るくらいだ
更にあと1ヶ月働けば計12万弱で、時期によってはスペイン経由(おれは東アフリカからモロッコに来んだけど、日本からなら多分マドリードまで飛んでから船でモロッコに入るのが最安で、往復最安6万ちょっととかだ)の往復の格安航空券の分まで賄える
モロッコは文化的にも自然的にも見どころがめちゃくちゃたくさんある国だから、アズロウにこだわる必要はなくて、ほかの観光地でも同様に稼ぐことはできるだろうし、1ヶ月ずつ観光地を回ってみるのも面白かったかもしれない
3ヶ月目以降は貯金もしつつ半永久的にモロッコで暮らせると思うw

ちなみにモロッコで比較的簡単に購入できる動物は、ロバ、ラバ、馬、牛、猫、犬、うさぎ(食用)、にわとり、七面鳥(食用)、あひる(食用)なんかだ
あとは野生だとサソリ、カメレオン、ハリネズミなんかが結構多い感じだった

ほとんどの人にとっては興味ないレスだったかもしれないけど、似たようなことをやれば似たような結果が得られるはずだから、興味があれば是非w

チャレンジャーというか、定期的に腐りかけのものを食べてるのと同じく経験として必要だからやってるって感じだけどねw
アナフィラキシーショックのリスクも少しあるけど、次に本当に安全が保障できない環境でサソリに刺された際に今回のサソリの毒の持続時間や痺れ、痛みの感じと比較して緊急度を推し量ることができるし
旅や冒険中なら医者が近くにいる状況なんてまずないだろうし、いても信用できない(ラクダスレ参照)から行くか退くかの自己診断能力が大事なんだ
このスレでもおれはラテに対する対応で医者に頼りっぱなしの無力な醜態を晒しているけど、冒険したいならほんとは臨床的なことも含めてもっと勉強しないといけないんだ
最近は外国語の勉強がそれなりに落ち着いてきたから日本に帰ったら少しずつそっちの勉強も始める予定だ

つづき
朝、ラブハーの実家に寄って少し話と写真撮影なんかをしてから出発
さすが観光地の責任者の家、といった感じの豪華な造りの家で、広い庭では鶏たちがのんびり暮らしていた
別れ際、ラブハーは自家製の蒸しパンとクッキー(ちなみにモロッコではパンを各家庭で作るのが割と一般的だ)をくれた、おれはいつもパサパサのパンばっかり食べてたからマジでありがたい

さぁ、フェズに向けて出発!

地図によると10kmほど先にイフレーンという町があるらしい
そこで昼休憩を取ろうと考え、歩くこと3時間

…なんだこの意識高い町はwww
こんな綺麗な芝生も運動設備もこれまで見たことなかったぞw

道路以外一面に敷かれた青々とした芝生
運動や休憩を楽しむ裕福そうな人々
小さな町でがらの悪い人を見かけないにもかかわらず確実にアズロウの倍以上はいる警察たち
この町だけ謎に高い物価(他の町では3-3.5DHで売ってる牛乳500mlパックが7DHだった。買わなかった)

…とてもモロッコだとは思えない
なんだかいきなり別の国に来たような気分だ

この時は知らなかったけど、実はこの町はヨーロッパの高級住宅街と同等となることを想定して創られた、モロッコでトップクラスに綺麗なセレブの為の町だったようだw

イフレーンに入った時から気づいていたけど、モカを休ませる場所がない!
こんな綺麗な芝生を食べさせたら警察に拘束されるレベルだし、車通りも多いから車道付近につないでおくのもダメだ
その他にも裕福そうなおばさんに、動物を町に入れるな、早く出て行けと怒鳴られたりしたのでこの町はそのまま通過し、町を出てから遅めの昼休憩をとることにした

ちなみにこの時期昼間は焼けるように暑いので、昼休憩の時間が少しずれるだけでおれも動物たちも体力的に大打撃を受けることになる
おれは水に濡らしたベドウィンスカーフで武装していたからまだなんとか大丈夫だったんだけど、動物たちはきついかもしれないと考えたので、この頃は定期的に動物たちにぬるくなった水を少しかけてやったりしていた
…まさかフェズ周辺がこれとは比べ物にならないほど暑いなんてこの時は想像もしてなかった

その日はなかなか野宿する場所が見つからず、というか夕方暗くなる直前にフレンドリーな現地人に「1km先に安全な場所がある」と言われて6km先まで連れていかれたため、最後の方は暗い中ライトを使って歩き野宿した
この距離感覚のずれは多分海外によく行く人は嫌というほど経験してるんじゃないかな
ちなみに「責任を感じる」なんてのは厳格な仕事でない限りは日本人特有の感覚だから彼は悪くない
荷車やモカの安全が脅かされるからできることなら暗い時間帯に移動するのは避けたかったけど、
断る為に彼と喧嘩しなかった(こっちは徒歩で逃げる手段はないし、この場合基本的に断っても連れて行こうとするから喧嘩するかもしくはクレイジーだと思われるように振る舞わないと振り切れない)のはおれだから仕方のないことだ

そして次の日
歩き始めてすぐに違和感に気付いた
ほんの僅かだけど、手綱から伝わってくるモカの動きになんとなく違和感がある
なんだろう、モカを観察してみる

最初は全く分からなかったけど、ほんの少し左足を引きずっているようだ
昨日、暗い中歩いている時に捻挫でもしたんだろうか
ロバには猫と同じく暗い中でも見通せる機能が備わっているからほかの動物よりは安全に移動できるはずだけど、比較的足元は見ていない(明るい時でもたまに躓くことがある)からやっぱり暗い中移動するリスクは大きかったようだ
今日は長距離移動するのはやめ、すぐ近くの小さな町で野宿することにした
ちなみにその後、ゆっくり休ませて栄養を与えると、夕方にはモカはもう完全に元通り歩けるようになっていた

ラテは食べられるものが徐々に増えてきているようで、今日はスイカを少しとメロンも食べていた
ただし、膿がまた出てきていたので、かなり心配だ
夜、光に寄ってきたカマキリをラテが追いかけて捕まえ、かじった
その後、ラテは慌てて逃げ出すカマキリを捕まえてかじる行為を3、4回繰り返すと飽きたようで、カマキリに全く興味を示さなくなった
膿は心配だけど、少しずつ元の状態に戻ってきているようだった

次の日の夕方、おれはフェズから10kmほどの地点に到着した

フェズはモロッコで最も治安の悪い都市の一つだから、ここからは細心の注意を払わないといけない
夜フェズに着くのは危険だと判断したため今いる辺りで野宿場所を探していると、ちょうど良さそうな空き地を見つけた

その空き地には大量のロバの餌と長めのひもで杭に繋がれたロバがいて(=ロバはここで一日の大半を独りで過ごしていると考えられるから家畜を盗むような輩はこの辺りにはいないということだ)、
たくさんの鶏が放し飼いにされていた(=鶏を狙うような獰猛な野犬や猫はいないということだ)
さらに、すぐ近くに大型円形交差点があるおかげで交通整理の警官が24時間体制で働いている(イメージしにくいかもしれないけど、モロッコには基本的に信号がなく、交差点は円形になっていて、どの方向から来た車も反時計回りに回ることで事故を減らしている。
ただそれだけでは万全ではないようなので大型交差点では警官が24時間交通整理をしている)からこの空き地はかなり安全なはずだ

さて、そんな安全な空き地の端の方に荷車を停めて食事をとっていると、荷車の近くに一人の男が来た
最初男は誰かを待っているようだったが、すぐ後から来た男と少し話をし、金と小さな袋を交換していた
袋を受け取った男はそのまま空き地の隅へ行き、注射器を取り出して何やらし始める

えぇ…

より安全にやり過ごすためにコミュニケーションをとるべきだと考え金を受け取った男に話しかけることにした

おれ「おじさん、何売ったんだ?」
おっさん「薬だよ薬。頭がおかしくなる薬。
見逃してやってくれよ、あいつにはこれが必要なんだよ」
おれ「あぁ、おれそういうの気にしないから大丈夫だ。ここには他にも薬の売り手や買い手が来るのか?」
おっさん「いや、ここではおれたち以外は見たことないな」

…ぎりぎり死角とはいえすぐ近くに警察がいる状況で売買をするということは、警察も黙認してるってことなんだろうか
…まぁ深夜とかにぞろぞろ来ないならおれとしては何でもいいけど

そしてその後しばらくすると男たちは帰って行ったので、麻薬の売買が行われていること以外は非常に安全なその空き地でその日おれは野宿した

警察だからといって信用するとマジで痛い目見るよなw
ただモロッコは全体的に見ればアフリカではかなりマシな方だ
警官たちはまとまっている訳ではないしみんなそれぞれ自分の物差しで職権を行使するけど、基本的には味方になってくれる
まぁ警官たちが味方になってくれる理由は警官だからじゃなくてイスラム教徒だからなんだけどなw(旅人には出来る限り親切にし、食べ物を恵まなければならないってのがイスラムの教えだ。
頼んでないのに、めっちゃ嫌そうな顔しながら「さっさとどっか行け」って言ってメシ出してくる人とかもいたから、モロッコではかなり強制力のある教えなんだと思うwそこまでして欲しくねーよww)

つづき
さて、ついに第三目的地フェズだ!
フェズ、モロッコ第二の都市。カサブランカ、タンジェと並んでモロッコで犯罪率の高い3トップ。中でもフェズはモロッコ一のスリ、泥棒人口を誇る
理由はメディナと呼ばれるあまりにも複雑な地域があるからだ
複雑に入り組んだ細い路地や裏道、トンネルが何キロにも渡って続いているため、余程慣れた人でないと道に迷ってしまうだろう
そしてその複雑なメディナのあるフェズは「世界最大の迷宮都市」と呼ばれている
迷宮、つまりはダンジョンだ
ダンジョン、なんてワクワクする響きなんだろうか
実は今回のキャラバン旅でおれが一番楽しみにしていたのはこのダンジョンを攻略することだった
ダンジョンを攻略する、というのは一般にどういうことかというと、つまりダンジョン最深部で最高の宝を手に入れるということを指している
今回のキャラバン旅において最もかけがえのない宝、それは仲間だろう
実は昨日、空き地でおっさん達が麻薬の売買をしている傍ら、おれは荷車を改造していた
荷車の下段、荷物庫の半分を空けて板で仕切り、荷車の前から開け閉めできるようにドアを付けて80*80*50cmの小部屋を作った
ラテのことがあったから、できれば夜間やおれが荷車から離れているあいだ留守番をしてくれるような強く賢い動物が仲間になってくれたらうれしいなぁ、なんて考えながら

たくさんの仲間に恵まれたイミルシル、そして旅の資金を十分すぎるほど調達できたアズロウがあったからこそ実現した、第三章、フェズ編の始まりだ!!